吹筆会展(2021年)のご報告 [書道展]
吹筆会展は厳しい時勢にもかかわらず 多くの方々にお出ましいただき
無事終了いたしました。
吹筆会は 会員は仲間という関係で 初心者も、経験者も平等という会です。
各会員 それぞれの思いを自由に好きに創作する。
上手下手よりも 品格を一番大切にを こころがけることになっています。
お陰さまで、会場に入って来られた方が 「ほっとする空間・・・・]
[とても 落ちつく・・・」
などのお言葉をいただきました。
展示作品 の一部です
福地桂玉氏 作品
巡礼 ひとり旅こそ仄かなれ空にはるばる身はうつつ
巡礼のふる鈴はちんからころりと鳴りわたる一心に縋りまつればの 白秋歌
国上山老ひ極めつつ相聞のうたありしこと華ありしこと 佐藤信子歌
エンタンス唐招提寺の御柱に青葉若葉の風吹き渡る 桂之助歌
先人の作品 コーナーには
会津八一
越後国上村乙子詞畔良寛歌詞碑文
後学秋艸道人 禄 と書かれています
良寛歌詩碑については ↓ をクリックしてごらんください。
↑ 近藤龍観先生作 三井寺「愛染明王」
矢部恵子氏作品
会津八一歌 もろ足につちふみしめてこそり立てくによみかえるけさのあしたを
當麻寺に 役小角の木像を見て
おにひとつ行者のひざをぬけいでて霰うつらむ二上のさと 会津八一歌
斑鳩の里のをとめは夜もすがらきぬはたをれり秋ちかみかも 八一歌
会員作品
しぐれのあめいたくなふりそこんだうのはしらのまそほかべにながれむ 八一
萬葉集 秋野雨咲有花乎指折可伎数數者七種花
あきののにさきたるはなをおよびをりかきかぞふればななくさのはな 憶良
養生訓 貝原益軒
↓ は さねさし作品
相模の大山は雨降山、阿夫利山、霊山ともよばれています。
そのふもと近くの里に棲んで 半世紀近くになりました。
芭蕉の 「雲霧の暫時百景を尽くしけり」
この句のような雲霧の大山に魅せられ写真を撮っておりました。
今回 その大山の写真を加工、巻物風にして日記のような歌を書いてみました。
撮った年数、サイズも大きさも色も違う写真を、墨絵風の巻物にパソコンで加工すること、
プリンターに印刷できる料紙、 また、墨がのる料紙選びに苦労しました。
巻物は 東京国立博物館で買った「雪舟筆国寶山水圖」、便利堂さまの印刷巻物を参考に
栢美さまで表装をお願いいたしました。
↓ 巻物の釈文として 帖にしたもの。
今年の桜はことのほか美しく
桜花いのち一ぱいに咲くからに生命をかけてわが眺めたり 岡本かの子歌 心に沁みます
吹筆会展(2021年)のおしらせ [書道展]
吹筆会展開催中のお知らせ
銀座 鳩居堂画廊4階で 3月28日(日)まで
午前11時~午後6時まで
最終日は 午後4時まで
↓ 会場風景
↑ 先人の書は 会津八一 (秋艸道人)の 書です
会員作品はつぎの記事にアップいたします
どうぞご高覧くださいませ。
春の苑くれないにほふ桃の花 [こころの近景]
近くの日向薬師へ 詣でる途中 桃林のうつくしさに惹かれ 車中から撮りました
萬葉集の 大伴家持の歌
を思い浮かびました
講談社から 昭和54年発行の 日比野五鳳先生の「萬葉百首」の本 ↓
この作品集の中の82番目の作品
はるの苑くれなゐにほふ桃の花したてる道にいでたつをとめ
42年前に購入したこの本は 今私の宝物となっています。
特にこの作品には 「桃の花」や 「苑」の文字に惹かれ 幾度か 臨書しておりましたが
なかなか 私の作品にはなりません。
日比野先生の 素晴らしさ 偉大さに感深くしております。
芸術新聞社から 2010年発行の 「日比野五鳳」 の本の中にも
萬葉百首 が でており学ばせていただいております。
稽古作品 です
はるの苑くれなゐにほふももの花した照るみちにいでたつをとめ
この里の桃のさかりに来てみれば流れに映る花のくれなゐ 良寛の歌
故郷はいとこの多し桃の花 正岡子規句
桃の花の 和歌や俳句の稽古に暮れていしまいました。