市の輝き塾講座の 「かな書を楽しむ」で

百人一首を書いて 平安時代の本の装丁の一つ 粘葉綴(でっちょうとじ)の

冊子本に仕上げる ことになりました

 

 ↑ 料紙を二つ折にした見ひらき部分 

 

 ↓ 二つ折にした背の部分 2枚を 四ミリほど糊をつけて 貼ったところ

 

持統天皇の この歌は

百人一首では

春過ぎて夏来にけらし白妙の衣ほすてふあまのかぐ山

万葉集では

春すぎて夏来たるらし白栲(しろたへ)の衣乾したり天(あめ)の香具山 (巻1)

万葉集は 漢字ばかりで書かれていました 原文は

春過而 夏來良之 白妙能 衣乾有 天之香來山

古事記や日本書紀も 中国から入ってきた漢字で書かれています

漢字で日本語を書きあらわすやりかたを 「万葉仮名」と呼ばれています

山部赤人の歌

田子の浦にうち出でてみれば白妙のふじのたかねに雪はふりつつ

万葉集では

田子の浦ゆ打ち出でて見れば真白にぞ不盡の高嶺に雪は降りける 巻3

万葉集全講 著者 武田祐吉 の本の 書きくだし文は

 

田児の浦ゆうち出でてみれば真白にぞ不尽の高嶺に雪は零りける

原文は

 

田児之浦從 打出而見者 眞白衣 不盡能高嶺 雪波零家留

 

「雪はふりける」 雪が降ってあった 積もっているのを見て詠んだ歌

 

と注釈があります

 ↓  粘葉綴じや 襲綴じなどの冊子本 

 

百人一首 を全部書き上げるには 1年くらいかかるところ 4回だけの講座です

歌は最初の十首だけを 一冊に仕上げることになりました

本にする前の 書き方の練習用見本

 

 

 

 

  粘葉綴の冊子本として有名なのは 

国宝の継色紙 ↓(東京都国立博物館)があります

http://www.tnm.jp/modules/r_collection/index.php?controller=dtl&colid=B2459&t=type&id=24 

 

粘葉綴の方法は 

料紙を半分に折って 背の方を 糊で四ミリくらい 貼るだけの簡単な 装溝です

現在 表裏両面に 書くことができる 練習用の料紙が手に入りにくいのが難点です

練習用料紙(表だけ)や コピー ワープロ用和紙に古典風模様を表裏に

印刷したものをつかいました