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源氏物語 に語られている 書の話(一) [書道]

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 源氏物語 梅枝の帖 に書かれている歌を書いてみました

 うぐひすのこゑにやいとどあくがれんこころしめつる花のあたりに

 (鶯の声にやいとどあくがれん心染(し)めつる花のあたりに)

 鶯の歌をきいていよいよ魂のぬけ出そうな気がします心をひかれた花のところでは

先月10月29日朝刊に

源氏物語の 一番旧い写本 「梅枝」の帖が見つかった記事が出ておりました

今回見つかった写本では、

光源氏が「紫の上」の書のうまさを褒める場面で

従来の写本にはない

 「いたうなすかし給そ(ご冗談おっしゃいますな)」と 紫の上が光源氏に話す表現があったと

書かれていました

また、これまでの写本で

かむなはしとけなきもしこそまじるめれ(上手な漢字の中に

大きさが不均一な仮名が交ざった方がいい)」との記述の

「まじるめれ」の部分は、「まさるめれ」と記されていて 

従来は光源氏が 書の一般論として話していたとされているのが

今回の写本では、紫の上の書を褒める内容に解釈できるという

 

このような内容の記事をよみ 大変興味深く感じました

 

梅枝の帖のどのあたりに書いてあるのか 探してみました

 

源氏が「藤壺の宮の御筆跡は まことに深みもあり美しいところはありましたが 

弱いところがあって 余韻が乏しかった  朧月夜は当代の名人でいらッしゃるが 

 余り洒落すぎて癖がついているようです  そうはいっても 朧月夜と藤壺と 

あなた(紫)は上手だと思います」 とお認めなさると 

紫の上は 

 このかずには まばゆくや(この方々のお仲間入りは恥ずかしくて)」

と申し上げなさると  

源氏は

ひどく謙遜し過ぎてはいけません やわらかい筆致の親しい感じは特別ですよ 

漢字が上手になると 仮名はととのわない文字が交じっているものですがね」と

おっしゃってまだ書いてない冊子などを追加して作り 表紙 紐など大変立派に

お作らせになるのでした・・・・・・

この梅枝の帖には  書に関するお話がたくさん書かれていて 

仮名書道を勉強している私にとっては 今の私の仮名書道の考え方と

あまり変わらないことに驚きとともに 紫式部の 教養の高さ 博学ぶりに感動いたします

千年前のかな書道の考え方が 今も生き続けているということを実感いたしました

 

   現代語訳は 玉上琢弥 著者 「源氏物語評釈」を 参考に書かせていただきました

 

                                      


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