八木重吉 ーさいわいの詩人ー 展 [展覧会]
町田市民文学館ことばらんど 開館10周年記念
八木重吉 ーさいわいの詩人(うたびと)-展 へ 行ってきました
詳しくは町田市のHP ↓ をクリックして御覧ください
私がこのブログで初めて記事にしたのが 2005年5月
八木重吉の 詩 「こころよ」 でした ↓
http://sanesasi.blog.so-net.ne.jp/2005-05-16
その前年 銀座で開かれた書道展に 撮った写真を和紙に加工して
重吉の詩を書き 書作品として帖に貼り出品しました
八木重吉の詩に魅せられ 重吉記念館へ 茶の花忌には何度か参加させて頂きました
いつしか10数年を経てしまい 久しぶりに この展覧会を拝見して 懐かしくなりました
↓ 昔書いたつたない作品です
ふるさとの川よ
ふるさとの川よ
よい音をたててながれていることだろう
母上のしろい足も
ひたすこともあるだろう
平安古筆の名品 展へ [展覧会]
平安書道研究会800回記念
「平安古筆の名品」 特別展 を観に 五島美術館へ行ってきました
詳しくは ↓ 五島美術館の HPで御覧ください
http://www.gotoh-museum.or.jp/
出品作品などは 上のHPから 青色の文字 詳しい情報へ をクリックすると見られます
書芸文化院 所蔵の 高野切 第一種・ 第二種・ 第三種 ・仮名消息
また五島美術館所蔵の 継色紙 など素晴らしい品格の高さに感動いたしました
11月3日には 池田和臣氏(中央大学教授)の
「源氏物語と仮名」の講演会があり 満席でした
お話は
仮名・仮名字体の種類・仮名の成立 から
1 仮名と女の一生
仮名という女性という存在そのものの象徴
平安女性の人生は手習いに始まり手習いに終わる
2 源氏物語の仮名書芸論 では 仮名は「今の世」が絶頂
梅が枝の巻に書かれている 紫式部の見解を光源氏に語らせているところの紹介
高野切などは 紫式部の死後の名筆 紫式部は仮名の絶頂期を知らなかったこと など
このほか もっと色々興味深いお話をされた一時間半余でした
仮名書を学んでいる私にとって
梅枝の巻に書かれている
「よろずのこと、昔は劣りざまに、なりゆく世の末なれど、仮名のみなん今の世はいと際なくなりたる」
この言葉 源氏物語千年紀のころから 気になっていた私は 紫式部が源氏物語の中で随所に語られている言葉 仮名書観のようなものに 大変興味を抱いていましたので 池田先生の お講義とても勉強になりました
お庭をほんのちょっと散策
館を出ると 不老門 に陽が落ちてゆくところでした
書の美 文字の巧 (三の丸尚蔵館) 展覧会 [展覧会]
皇居 三の丸尚蔵館へ 書の美 文字の巧 展覧会 (中期) に行ってきました
↑ の写真の左側の古筆作品 小野道風の 玉泉帖は 前期展示で拝見できませんでした
前期は10月10日まででした
Ⅰ 唐様から和様へー日本の書、華開く
平安時代の古筆 小野道風の 屏風土台や 藤原佐理の 恩命帖
王羲士の喪乱帖など 展示
残念ながら 拝見できませんでした
中期として 11月6日まで
Ⅱ豊かな書ー歴史を伝え、書風を展開する
・ 紫式部石山詣図 画 土佐光元 三 三条西公条 1幅
・ 歌口伝心持状(古今伝受資料) 細川幽斎
・古歌屏風 六曲一双
・ 古筆短冊手鑑 古歌屏風 3帖 などゆっくり拝見できました
詳しくは ↓ をクリックしてぜひ御覧ください
http://www.kunaicho.go.jp/event/sannomaru/tenrankai74.html#D0901
あと 二の丸庭園へ
北桔橋門をでて
平川門の方に歩いて行くと
太田道灌公追慕之碑がありました
太田道灌の墓は 伊勢原市にあり 今月10月1日・2日 伊勢原道灌まつり がありました
今年の 太田道灌公役 三田村 邦彦さん
- 北条政子役 杉本 彩さん
江戸城天守の再建に向けての運動や
大河ドラマに 太田道灌をという運動もあるようです
写真展 [写真展]
神奈川写真研究会 の 第23回 写真展が
伊勢原市 中央公民館で9月27日から10月2日まで開かれました
会員たちの 作品の一部
↓ は 写真絵本風 「蝉の恩返し」 を帖に貼った作品
↓ 神奈川新聞に記事として記載されました
お忙しい中 見に来ていただいた方々ありがとうございました
吹筆會展(2016年)のご報告 [吹筆会展]
今月31日まで開かれた 吹筆會展 無事終了いたしました
↓ は 特別展示 先人の書 などです
箱書きは 安田靫彦画伯です
会津八一の軸装作品
↑ ↓ 日比野五鳳 作品
↓ から 会員作品の一部
6才のお子さんの詩を
↓ 会員作品
↑ 右は 95歳 今年4月から 8月にかけて 書きあげた 枕草子
↓は 源氏物語に於ける紫式部の仮名書観 の一部
↓ 会場近くのビルの入り口のケースに 展示されていた 筆
毎日書道展(企画展示 今こそ臨書) [書道展]
国立新美術館へ 毎日書道展に行ってきました
↓ 入り口
会場風景
今年の企画展示は 「今こそ臨書」 -今日の毎日展を築いた先人の書ー
↓ 受付でいただいた チラシ
上が 表面 下が 裏面
展示作品は 壁面展示27点 ケース展示25点 ↓は
↓ 席上揮毫も行われていました
日程
国立新美術館
前期展 Ⅰ期=7月6日~7月11日 前期展Ⅱ期=7月13日~7月18日
後期展 Ⅰ期=7月20日~7月25日 後期展Ⅱ期=7月27日~7月31日
午前10時から 午後6時まで 火曜日は休館 水曜日は 午後一時から開会
↓ さねさし作品 7月31日まで 展示
日本詩文書作家協会書展 [書道展]
毎日新聞 6月9日 夕刊 「書の世界」 の記事に惹かれ 行ってきました
↓ の会場写真は 上の会館入り口の 紹介画像から
「書の世界」 の記事から
「今回のテーマは「俳句と書の世界」。書人がどんな言葉に共感を寄せている
のかについて考えさせられる。書いてある文字をつぶやき、なぜか記されている
出典を眺めてしまうのは不思議なことだ。やはり書かれている文字の、
意味内容を知りたくなる。この時点で文字のデフォルメが強すぎて、
あまりに読みづらいものは、その先を追うという気がうせてしまう。・・・・・・・・ 」
と書かれているところに惹かれました
会場を一周して拝見して まったく同じ感じをいだきました
俳句の内容と 文字表現の違和感 俳句の文字だけを書いてあるという寂しさ
やさしいことばの俳句を力いっぱい大きく書かれていたり
内容に添わせて墨色、紙、 紙の色にも 配慮が無い作品には
失望感を抱きました
一巡りしてから
今度は横に貼られた 釈文を 先に読んでから作品を拝見すると
さらにこの感は深くなりました
俳人がご自分の俳句を書かれた作品をご覧になると どう感じられるかしら?
と思いました
法隆寺へ [こころの近景]
奈良 法隆寺へ行ってきました
日本最初の世界遺産 法隆寺 平山郁夫 書
あめつちにわれひとりゐてたつごときこのさびさをきみはほほゑむ
法隆寺東院にて
秋艸道人
この歌は 南京新唱 には
夢殿の救世観音に とかかれています
皇后宮御歌
中宮寺の都い地のうちにしづもりてさざんかの花清らかにさく
女官長 北白川祥子謹書
香淳皇后の御歌 都い地とは ついじ 築地(塀)のこと ↓
↑ 法隆寺子院普門院内の 松瀬青々の歌碑
月のこる涼しきままに夢殿へ
会津八一の 歌を書いてみました
五重塔をあふぎみて
ちとせ あまり みたび めぐれる ももとせ を
ひとひ の ごとく たてる このたふ
夢殿の救世観音に
あめつち に われ ひとり ゐて たつ ごとき
この さびしさ を きみ は ほほゑむ
法隆寺の金堂にて
おし ひらく おもき とびら の あひだより
はや みえ たまふ みほとけの かほ
仰げば尊し [こころの近景]
最近の卒業式には あまり歌われなくなった 仰げば尊しの 唱歌が
入っている 古い本を見つけました
目次右から4番目に 「あふげ(バ)ば尊とし」 とあります
↓ 歌詞
文字は 明治のころまで使われていた 変体仮名といわれる文字で
かな使いも当然 旧かな使い 漢字の振りがなも 変体仮名です
第五十三 の あ(阿)ふげ(介゛)ば(ハ゛)尊(たふと)し 目次には 「尊とし」
が書かれていますが この題には 振り仮名に 「と」がはいっています
1番 3番の歌は カタカナ 2番は ひらがなの 活字体
↓ 最期のページ
右に 明治17年3月29日印刷発行
同18年5月再版
昭和10年3月5日印刷 と書かれています
仰げば尊し の歌が小学校の唱歌に入ったのは 明治17年から
作者 作曲は不明とされていました
↓ ウィキペディア 参考になるかもしれません
(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%B0%E3%81%92%E3%81%B0%E5%B0%8A%E3%81%97)
この本は 和紙に印刷され 和とじ本に製本されています
珍しい 福紙と思われる 紙が折れたまま裁断され綴じられていました
上の 本とともに
大正5年(100年前)に書かれた 「送辞」が 出てきました
書き出し 回首いたしますれば と書かれています
この「回首」 は 良寛の漢詩
草庵雪夜作
回首七十有餘年
人間是非飽看破
往来跡幽深夜雪
一炷線香古匆下
を思い出しました
奈良、京都の鷗外ー今日オクラガアキマシタ [展覧会]
森鷗外記念館
「奈良、京都の鷗外ー今日オクラガアキマシタ」 展覧会へ行ってきました
右のポスター 今日オクラガアキマシタ 天気ノヨイ日デ皆ヨロコビマシタ。 十一月二日
地下鉄 千代田線 千駄木から歩いて 3分ほど で着きました
入り口 入ると ↓
地下への階段から天井をみあげると
展示の地下1階 展示作品は 撮影禁止です
ぜひ ↓ をご覧ください
たくさんの書簡拝見 お子様や 奥様 佐佐木幸綱ほか への 書簡など
特に 鷗外が亡くなる3日前に口述し 加古鶴所が筆記した
遺言状(http://moriogai-kinenkan.jp/modules/collections/index.php?cat_id=2)
に こころ奪われました
「・・・・・死ハ一切ヲ打チ切ル重大事件ナリ・・・・・
・・・・・・墓ハ森林太郎墓ノ外一字モホル可ラス 書ハ中村不折ニ依託シ・・・・・ 」
鷗外の文字は カタカナだけであったり漢字とカタカナ がほとんどでした
最近の書道展では あまり カタカナの作品は見当たりませんが
今 カタカナの文字をつかった俳句や短歌が多くなってきましたので
かな書道では これからは カタカナ文字作品 カタカナと漢字との
素晴らしい作品となるような勉強が大事になってくるように思いました
歌集 「奈良五十首」 のなかの 歌も 展示されていました
喫茶室から お庭拝見
沙羅の木
褐色の根府川石に
白き(起)花はた(多)と(登)落ちたり
あ(阿)り(里)と(登)しも青葉がくれ(連)に
見えざり(里)しさ(左)ら(羅)の(能)木の花
森林太郎先生詩
昭和25年六月
永井荷風書
沙羅の花が咲くころ 又来たいと思いました
書の流儀 展 [展覧会]
出光美術館 へ 文字の力・書の力 書の流儀 展へ行ってきました
↓ は出光美術館のHP です
http://www.idemitsu.co.jp/museum/honkan/exhibition/present/index.html
展示概要には 「書」をめぐる多彩な魅力をさぐる。・・・・・
「書」ってこんなに面白い?-と振り向いてもらえる新春にふさわしい展覧会です
書のみどころでは 「書」の鑑賞 方法のコツを知る展覧会 です と書かれています
解説を読みながら拝見するとあっという間に時間が過ぎました
日本独自の書表現とされる 和様という仮名文字 和歌の世界
桃山時代以後からの松花堂昭乗 本阿弥光悦 仙崖などの
書画が 絵と書の「組み合わせ」に粋を尽くされていることに
心残りました
皇居の方を眺めながら お茶を頂きました
仮名の多彩な古筆に浸る幸せを感じて帰りました
第17回 NHK全国俳句大会(平成27年度) [俳句]
第17回 NHK全国俳句大会に行ってきました
↑ 俳句大会入選作品集 の ご挨拶から
「・・・・・題詠と自由題あわせて42、504句
題詠である「一」では「三・一一」から震災を振り返った作品、「一人」と詠んで
自分を深く見つめる作品が多くよせられました。
また、自由題では、戦後七十年という節目の年を迎え、戦争体験や戦後の
日本の歩みを振り返った作品などが多く見られました。・・・・」
4時過ぎ終了 外は 今冬一番寒い日の暮れ
大会の余韻を残す人たちでした
明治神宮への門は閉ざされ 落陽のなか 行き交う人々
↓ 明治天皇御製 「光といふことを」
とても いい 俳句大会でした
俳句大会の 放送予定は NHK Eテレ 2月13日(土) 午後3時~4時14分
俳句大会 受賞作品などは ↓ で見られます
http://www.n-gaku.jp/taikai/haiku/h27/
わたしの 俳句入選 一句は いつか書にしてみたいと思っています
全国短歌大会へは 行かれませんでしたので
テレビでみたいと思っています
全国短歌大会 受賞作品 などは ↓ でみられます
http://www.n-gaku.jp/taikai/tanka/h27/
歌会始めの御題によせて 平成二十八年 [書道展]
渋谷の ギャラリー6 で
平成二十八年 歌会始の御題によせて
短歌展 書展を展示中
幼児から 毎日書道展参与会員まで
自詠の短歌や 「人」が入っている言葉を作品にした
とてもユニークな楽しい展覧会です
人と猿の問答おかし啄木の「林中の譚」吾は貴ぶ と書かれています
作品の素晴らしさ 詠まれた歌に惹かれました
新春 沢山の展覧会で色々な書作品を拝見しましたが 感動する作品少なく
その中で 日比野五鳳の作品「赤とんぼ」とともに とても感動いたしました
石川啄木の 「林中の譚」 について 書かれている ブログ ↓ をのぞいてみてください
http://ameblo.jp/3231tukusi/entry-12019135192.html
暮に近くの林の桜の樹にいた猿です
今日も 里山近くに住むわが家やご近所の屋根に日向ぼこをしておりました
↓ は お題「人」を 詠んだ さねさし作品です
↑ の作品 右は
「うた人の家持もみしか能登湾に光道灯す十五夜の月」
和倉温泉へ昨年中秋の名月の日に旅し 翌朝ホテルの窓から
名月の海に入るところを見た感動を詠みたいと思ったのですが・・・・・
大伴家持は 越中の国司を勤めたころ 能登の歌を詠んでいます
「鳥総立て船木伐るといふ能登の島山 今日見れば木立繁しも幾代神びぞ」(万葉集4026)
和倉温泉の記事 ↓ みていただければうれしいです
http://sanesasi.blog.so-net.ne.jp/2015-11-03
左の作品は 伐られた年輪に人という字にそっくりな割れに
想いをこめたく詠んだのですが
「いつしかと年輪重ね来し人の重荷おろして旅だちにけり」
短歌は 難しく その日の日記代わりとして三十一文字にしただけです
↓ は 今年の日書展に 出品した作品です
今のわたしは 一人で楽しんでいます
出かけるときは必ず カメラを持ち 写してきた写真をパソコンで 見る楽しみ
写真展に出せそうな写真 和歌や 俳句が作れそうな写真
失敗写真も 書にする料紙に加工できそうな写真など
写真から 加工した写真に どんな紙に どの筆で どんな言葉をどのように
書くかなどなど 楽しんでおります
歌会始の儀(28年度) [短歌]
今日は 皇居で歌会始の儀が 行われました
今年の お題は 「人」
NHKテレビで 朝10時30分から新春恒例の宮中行事 として
皇居 正殿松の間から中継されました
詠進歌数 19792 から選ばれた 入選者10人のうち
若い高校生 内山遼太さんの 歌から詠みあげられました
日焼けした背中の色がさめる頃友達四人の距離変化する
入選者 召人や 選者の歌のあと 皇族方 そして 皇后さま
皇后さまが書きになられた懐紙を受け取られ お歌 が詠まれました
夕茜に入りゆく一機若き日の吾がごとく行く旅人やある
最期に天皇陛下の御歌 4回 読み上げられました
戦ひにあまたの人の失せしとふ島緑にて海に横たふ
平成二十八年歌会始御製御歌及び詠進歌 は ↓をクリックすると見られます
http://www.kunaicho.go.jp/culture/utakai/pdf/utakai-h28.pdf
来年の御題は 「野」 と発表されました
新春の書道展めぐり (申年) [書道展]
穏やかな申年の春を迎えて 書道展を巡ってきました
現代の書 新春展 (http://mainichi.jp/articles/20151231/ddm/010/040/023000c)
↓ 会場内 風景写真
↓ 会場入り口 出品者の 申 の文字
和光 のショウウインドウ
上野東京都美術館
↓ 第70回 日書展 (http://www.nishobi.org/)
会場風景
上の展覧会は 終了しました
TOKYO書 2016 (http://www.tobikan.jp/exhibition/h27_tokyosho2016.html)
↓ 会場風景
↓ は 銀座和光の ショウウインドウ です
日比野五鳳 赤とんぼ 第60回記念 現代書道二十人展 [書道展]
「第60回記念 現代書道二十人展が 東京日本橋高島屋で開かれていました
同時開催 歴代出品作家選 として 15名の書家の作品展示
その中に日比野五鳳作品「赤とんぼ」が展示されていました
個人蔵でしたが 2006年ごろ 東京国立博物館に寄贈されていらい
なか なか拝見することが出来ませんでした
その作品を今回まじかで拝見でき感深くいたしました
(↑ の写真は 作品の複製を 額に入れて部屋に飾っています)
赤とんぼ 作品について 9年前に書きました記事 ↓ です
http://sanesasi.blog.so-net.ne.jp/2006-11-06
あけましておめでとうございます [こころの近景]
新らしき年の初めのお喜びを申し上げます
我が家の裏から 申歳の初日の出
同じころ西側の空には 月の入り
暖冬のせいか 昨年12月初めには咲いていたホトケノザにも霜がおりていました
昨年暮れ26日 我が家の住宅地に 現れたサルの軍団
家々の屋根に登っていました
しばらく 楽しんだ後山の方へ
ことのほか穏やかだった元日の夕暮れ
↓ は 昨年5月に 東京国立博物館で展示されていた埴輪の猿
東京国立博物館では撮影禁止以外は写真に撮ってもよいとのことで 撮らせてもらった一枚
重要文化財 埴輪の猿 古墳時代
説明には
猿を表した埴輪としては唯一の存在である Y字形の剥離痕から
元は小猿を背負っていたとみられる 子猿の様子をうかがうために
顔をやや横に向けていると考えられる顔面などには赤色顔料が残り
いききとした表情を捉えた傑作である と書かれていたように思います
こころに 残る埴輪の猿でした
伝統のかな書の美しさ [かな書を楽しむ]
市の生涯学習 「かな書を楽しむ」 の講座
今回は 伝統のかな書道の美しさについて
平安時代に書かれた古今集などの文字の美しさを複製本など
見ながら学ぶ を目標に 目習いを主に 臨書の稽古をしました
第一回目は
↓ の 「名寶 古筆大手鑑」 の本 などを鑑賞しながら 昔の名筆を知る
↑ 元永本古今和歌集 複製本から
2回目は 高野切一種の臨書
古筆の中では 高野切 特に第一種が 品格 高く稽古に入りやすいため
この臨書をしました
・高野切(こうやぎれ)は
平安時代後期十一世紀に書写された『古今和歌集』の現存する最古の写本です
和歌の規範として 平安時代には必須の教養とされ 尊重されてきました
日本文学史の研究資料としても貴重であるとともに その書風は仮名書道の
最高峰として古来から尊重され 日本書道史上もきわめて重要な作品です
・名まえの由来
古筆には、それぞれ名前がついています 持ち主や料紙の特徴や発見された場所など
によりいろいろな名前が付けられています
「切(きれ)」とは、完本に対して一部しか残っていないものをいいます
「高野切」の高野は この古筆の一部が高野山にあったことからこの名が付けられました
古今集二十巻を三人の人が分担して書かれているため 筆者ごとにわけられ
高野切第一種、高野切第二種、高野切第三種と呼ばれています
高野切を書かせたのは、藤原頼道 当時の有力者藤原道長の子で
宇治の平等院を建立したことでも有名です
「伝・・・・筆」と書いてあるのは 後の人(江戸時代の古筆家等)がつけ
伝承筆者であって 本当の筆者ではありません
第一種 藤原行経
第二種 源兼行
第三種 藤原公経 といわれています
・料紙
つるつるとした薄い黄色がかった麻紙(まし)に上から全体に雲母砂子が蒔かれていて
装飾のない上品な料紙です
・書風
典雅性が高く かなの優麗性も豊かである
墨継ぎが巧妙で 墨の濃淡・潤渇・墨の流れが美しい
行書きで 一首を二行にかかれている
難しい漢字を入れていないので 明るく読みやすい
用筆は直筆 抑揚開閉が微妙である
潤筆のふっくらした線、渇筆のくいこみような細い線のコントラストが美しい
かな書を経験したことのない方でも 読めなくても見ただけで
美しいと感じられるのではないでしょうか
日本人の美意識の高さによって 千年以上も大事にされてきたこの高野切の
完成度がたかく現代の書家もこれまでもこの高野切れの書を越えた作品を
書いた人がいない といわれています
3回目 は 寸松庵色紙の臨書
紀貫之 寸松庵色紙の複製本から
寸松庵色紙とは
・内容
古今和歌集の 四季の歌を書写
粘葉装冊子本の断簡である
平安時代の 継色紙 枡色紙とともに三色紙と称されている
・筆者 伝紀貫之
・名前のいわれ
武士で茶人の佐久間将監実勝(さくましょうげんさねかつ)が堺の南宗寺の襖に貼って
あった 三十六枚のうち十二枚を所持したので その茶室の名にちなんで「寸松庵色紙」
と呼ばれ 古筆の名葉として尊重されました
・料紙
雲母(きら)で文様を摺り出した中国伝来の華麗な唐紙
・大きさは 縦12.9cm〜13.3cm、横12.3cm〜12.8cm
・書風
典麗高雅 線は勁く緩急自在の変化は見事 散らし書きの絶品といわれる
↓ 受講者の 臨書作品
4回目 御物和漢朗詠集粘葉本の臨書
和漢朗詠集とは
平安中期の歌謡集 二巻
藤原公任(きんとう)撰 1012年ごろ成立
「和漢」とは和歌と漢詩文を指します
漢詩文は 白居易のものが多く588首
和歌は紀貫之 凡(おうし)河内(こうち)躬(み)恒(つね)など216首
計804首を選び 春・夏・秋・冬を揃えた上巻 その他雑を集めた下巻
和漢朗詠集を書いた古筆は
大字和漢朗詠集
関戸本和漢朗詠集
伊予切れ などたくさんあります
御物和漢朗詠集粘葉本もその一つ
藤原行成が書いたと言われ 上下2巻 粘葉本に仕立てられていることから
この名がつけられ明治十一年に近衛家から宮中に献上されて以来
御物になりました
・書風
漢詩は楷書・行書・草書をまぜ 和歌は端麗にして王朝の風格を持つ美しさ
・料紙
色から紙 すべて中国製で 白雲母 または黄雲母で 文様が摺られている
文様は一紙の表面のみ摺られ 裏面はほぼ同色の具引きである
漢字と仮名を同時に稽古出来ると重宝がられ、仮名手本として万人に親しまれ
寺小屋などで読み書きの教科書のように用いられていた
↓ 受講者の臨書作品
日本の書道 特に「な書道」を 世界文化遺産として登録を目指す活動が始まったそうです 平安時代に書かれた古筆の美しさを知ることによって 日本文化の素晴らしさを実感したいと思います
昭和55年発行の 東京堂出版 の
「名宝 古筆大手鑑」 編著者 飯島春敬
は 古筆を勉強する人にとって素晴らしい本だと思います
金沢 和倉の旅から [心の遠景]
中秋名月の日の朝金沢 和倉 能登方面へ旅して来ました
29日朝5時ごろ 大きな金色の名月が能登の七尾湾に入りゆくころ
一筋の光の帯 久しぶりに感深くしました
翌朝 有明のつき ↓
この日 能登水族館などをめぐってから 有名な加賀屋さんへ
この加賀屋さんの近くに碑がありました
虚子の句碑
「家持の妻恋舟か春の海 虚子」
佐々木信綱 歌碑
「うた人の国守巡り見し日にも山きよらに海しつかなりけむ
昭和4年5月ごろ信綱が和倉を来遊した際大伴家持を偲んで詠まれました
家持がこの能登を読んだ歌が万葉集 巻の第十七に
「能登の郡、香島の津より船だちして、熊来の村を射して往きし時作れる歌
鳥(と)総立(ぶさた)て船木伐るという能登の島山 今日見れば木立繁しも神(かむ)びぞ
これは読み下しで書かれていますが もと万葉集は漢字で書かれていました
原文は
能登郡 縦香島津初船 射熊來村往時作歌
登夫佐多氐 船木伎流等伊布 能登乃嶋山 今日見者 許太知之氣思物 伊久代神備曾
まだ かなが生まれていなかった時代です
かなが生まれてから 和歌として読みやすく書かれるようになりました
平安中期に完成されたかな文字は 優雅 典麗 流れる文字の線にふくまれる強い力 内面の深さ 何よりも品格の高さがあり 日本の文化の財産であり このかなを作り上げたことによって世界に誇る素晴らしい源氏物語や徒然草などが生まれました
平安時代の高野切れなどの書の美しさはもうそのときに完成されたようだといわれています
フォト575を写真展に (2015年) [こころの近景]
神奈川写真研究会の 写真展に フォト575を帖にした作品を出さしていただきました
一年ぶりに 一夜漬のようにして作った つたない写真と俳句です
道すがらの記憶 まなざしの記録として
新しき命に託すや春の風
いまひとつ鈍る決心涼新た
しなやかにしたたかに生きん老いの夏
遠慮なくお叩きください神の留守
モナリザの姉なる笑みや芸の秋
春の月覗いてみれば心柱
御仏に願い届ける春の風
積み重ね来し経験や蔵の秋
耳すます戦の気配盆の月
写真展 (神奈川写真研究会) [写真展]
神奈川写真研究会の 第22回 写真展 9月8日から13日までが開かれました
ぐるっとパノラマで撮りました 伊勢原中央公民館 1階
↑ の写真 を3分割して ↓ 左
中央
右
テーマ 作品 各人 テーマを決め 作品 7点
関東女流書展(2015年) [書道展]
第66回 連合書道展 が 9月1日から6日まで開かれました
同時に書芸文化院特別企画事業 の 第29回 関東女流書展
~関東を代表する女流書家の競演~ も開催されました
↓ 会場風景
出品した さねさし作品
高村光太郎の ことば を書きました
↓ 上野駅から東京都美術館へ行く途中 東京芸術大学の展覧会の看板
思わず私も 見つめてしまいました
吹筆會展(2015年)のご報告 [吹筆会展]
吹筆會展(2015年)のご報告
今年も銀座松崎画廊で 吹筆會展が8月22日から26日まで開かれました
↑会場風景
↑ 福地桂玉氏 作品コーナー
↓ 作品
↓ 矢部恵子氏 作品コーナー
↑ 源氏物語絵巻 (隆能源氏) の詞書きの全文 の巻物
↓ 特別コーナー 先人の書 日替わりで展示されました
↑ 高村光太郎 額
↑ 西田幾太郎氏作品
↑ 島崎藤村 軸作品
↑ 会津八一作品
日比野五鳳作品(軸) 大きさは 寸松庵ほど 下は 作品に添えられていた 五鳳自筆釈文
会員作品
かな書を楽しむ「はがきに書く」 [かな書を楽しむ]
市の生涯学習で 「葉書に書く」 講座 が終わりました
1回目 短歌 2回目 俳句
3回目 ↓ 詩 を書く稽古
↑ 書いた葉書を ボードに 貼りました
4回目 家で飾れるような作品に仕上げる
ダンボールを利用して額にしたり 軸仕立てにしたり アルバムを剥がした一枚に貼ってリボンを着けたりして 飾れる作品に仕上がりました また 写真用のアルバムにたくさん書き上げた葉書を貼り 一冊の本仕立てしたり それぞれ工夫されて 仕上がりました
お互いに作品の批評をしたりして書の楽しみ方の 一つを体験できたと思います
第67回毎日書道展 [書道展]
第67回 毎日書道展が 始まっています
↑ 地下鉄 乃木坂駅をおりて 美術館へ行く路の ポスター
↓ 会場 入り口
↓ 会場 会員賞作品 展示会場
会場風景
毎日書道展についてはは 右をクリックしてみてください http://www.mainichishodo.org/kikaku
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企画展示として 「筆・墨・紙・硯の世界」 書道用具の数々をパネルや実物で紹介されています
↓ 出品した作品
万葉集の原文 漢字を 上部 右から左へ 一字ずつ
人皆者芽子乎秋言従吾等者乎花之末乎秋跡者将言
下部 同じ歌の読み下しを 変体仮名を使って11行に書き
ひとみなははぎをあきとはいはむわれはをばながうれをあきとはいはん
左には 小さく万葉集一首を
天の海雲の波立月の船星の林に漕ぎ隠れ見ゆ
あまり変体かなを使わずに 添えるように書きました
帰り 我が家の近く 相模の野には 二重の虹が立っていました
振り返れば 相模嶺の夕焼け
書芸術 と 自然の美しさに触れた佳き日でした
写真展 俳句を添えて [写真展]
写真展を展示中です
心から話せる人の居て涼し
蝶無心わが人生を知らずして
生れし蝉夢のやうなる色作(な)して
星月夜浮世の旅へ今暫し
空っぽの心に凍みぬ言咎め
言の葉の欠片集めて冬の詩(うた)
童心へふるさと列車で帰る春
お先にと旅立つ綿毛春惜しむ